令和元年度 赤十字健康大学 開講の挨拶
伊勢赤十字病院 院長 楠田 司
平素より伊勢赤十字病院の活動にご理解とご支援をいただきありがとうございます。
さて、昨年はまさに「災害列島日本」を実感する事態が相次ぎました。1月には草津白根山で噴火が起こり、2月の福井では記録的大雪で交通機能が停止、3月には大分県の山崩れで6名の方が死亡されています。さらに、7月の西日本豪雨では200人以上の死者が出る大惨事となり、当院からも救護班やこころの医療班が出動しました。そして記録的な猛暑となった夏がようやく過ぎたかと思えば9月の台風21号が日本を席巻し、その1週間後には北海道胆振東部地震が発生しました。ブラックアウトという前代未聞の事態に陥り、北海道、東北地区の赤十字病院からはもちろん救護班が派遣されています。
ところで、災害が発生した場合、我々が最優先するのは災害弱者への速やかな救援です。災害弱者には、心身障害者、認知症や体力的に衰えのある高齢者、妊産婦や傷病者などが含まれますが、特に体力の衰えた高齢者の被災が大きな問題となります。危険回避行動や避難行動に関してはもちろん、災害後の避難生活においても復旧・復興活動に適応できず体調を崩すことが少なくないからです。そうした万が一の事態に備えるために大切なのは、誰もがいくつになっても「自らの命は自ら守る」という自助の理念を持ち、いざというときのために体力、気力を維持することではないでしょうか。
そのためには日頃から健康に対する関心や意識を高め、ストレスを溜めない生活を志さなければなりませんし、常に心身ともに健康であることが第一です。そしてさらに、病気に対する予防法や対処法などの最新の正しい知識も必要となるでしょう。当院では、今年も令和元年度健康大学を開講いたします。健康に関する情報は、昨今、テレビ、ラジオ、ネットにも溢れかえっております。しかしいずれの場合も、医療関係者と対面して直接質問を投げかけることはできません。講演後には質問コーナーの時間も設けてあります。講演を通し、ひとりでも多くの方が健康の意義について改めて考え、日頃の疑問を解決していただければと存じます。
本講演が皆さんの健康維持の一助となることを祈念しております。奮ってご参加ください。
●令和元年度 赤十字健康大学・病気と健康の講座
開催日時 | テーマ | 講 師 |
7月2日(火) 14:00~15:30 |
運動に関連する心疾患と最近のカテーテル治療 | 伊勢赤十字病院 循環器科副部長 泉 大介 |
7月30日(火) 14:00~15:30 |
「声」と「誤嚥」 加齢と声・誤嚥の関連 |
伊勢赤十字病院 耳鼻咽喉科部長 山田 弘之 |
8月29日(木) 14:00~15:30 |
白内障と糖尿病網膜症について | 伊勢赤十字病院 眼科部長 古田 基靖 |
9月20日(金) 14:00~15:30 |
加齢などによる関節の痛みと変形 膝・足・股 |
伊勢赤十字病院 リハビリテーション科部長 森川 丞二 |
10月29日(火) 14:00~15:30 |
症例から学ぶ気をつけたい脳疾患 | 伊勢赤十字病院 第一脳神経外科部長 宮 史卓 |
11月14日(木) 14:00~15:30 |
皮膚がん | 伊勢赤十字病院 皮膚科部長 水野 みどり |
修了式 |
●令和元年度赤十字健康大学 受講者募集要項
定 員 | 150名(先着順) |
会 場 | 伊勢赤十字病院 1階 多目的ホールやまだ |
受講料 | 無料 |
申込み方法 | 受講申込書を下記まで郵送または FAXしてください |
申込み締切 | 5/31(金)申込みは締め切りました |
お申込み先 | 伊勢赤十字病院 医療社会事業部 社会課 〒516-8512 伊勢市船江1丁目471番2 電 話 0596-28-2171 FAX 0596-28-2965 担 当 齋藤 |