病院移転新築検討経緯について
2007年12月21日
当院は急性期医療を中心とした医療を提供するとともに地域医療支援病院等の政策医療を数多く担うなど、地域の皆様から求められる役割は年々重要性を増しております。
しかしながら、施設面では病棟を中心に老朽化・狭隘化が著しく患者さんの療養環境の低下や職員の就労環境、作業効率の低下が問題となっている状況にあります。
加えて、三重県が平成14年4月に東海、平成15年12月には東南海・南海地震の地震防災対策推進地域に指定されたことから、地域災害拠点病院並びに日本赤十字社三重県支部の災害時医療救護拠点である当院施設の耐震化が急務となっております。
一方、国の医療費抑制策に基づく様々な医療制度改訂により、病院経営を取り巻く環境はますます厳しさを増しており、大きな社会問題となっている医師偏在(地域偏在・専門科偏在)の影響から、近隣病院における一部診療科の閉鎖や従前からの夜間・休日救急医療体制が崩壊するなど、当地域においても医療情勢は大きな変革期を迎えております。
そのため、当院が今後も急性期医療を中心とした良質な医療を安定的、継続的かつ効率的に提供しつつ、各種政策医療や災害時の拠点など地域から求められる役割を担っていくための責務として、老朽化した病院機能の刷新を図るべく、近年の最重要課題として新病院の建築を検討してまいりました。
当初は現地建替えを検討してまいりましたが、効率的機能配置実現のためには問題点が予想以上に大きいため、移転新築の方向で検討を進めることとしました。
複数候補地の中から本社との協議を進めた結果、総合的な見地から患者さんの利便性を損なわず、かつ廉価での確保を前提とした移転新築が最善策との判断に至り、伊勢市内旧東洋紡績工場跡地を移転地とする計画(案)をもって移転新築事業の社長承認を得ました。
移転用地については平成18年末に取得が完了し、現在は基本設計に取り組んでおります。
実施設計を含めた設計期間は約20ヶ月を予定しており、平成21年度内の工事着工、平成23年度内の竣工・新病院開院を目標として事業を推進しています。