職場復帰プログラム 小児科／新生児科
当院小児科の特徴は24時間、365日を通じての小児救急医療と新生児救急です。24時間体制で地域医療を守るため、診療科全体で支えあうことをモットーとしています。支援される側のみでなく支援する側のワークライフバランスも重要です。“復帰”を前提にみんなで支援します。“復帰”することで、支えられる側から支える側にまわることが最重要です。みんなで支えあうという認識の上に立ち、産前・産後・育児などによる長期休業後の働き方については基本的に相談して決めていきます。以下に相談内容の要点を列記しました。
１）時短制度の活用や働き方について相談する。
２）各個人にあわせたプログラムを作成する。
３）キャリアパスを意識すること。
４）配偶者、両親などの周囲の理解を求める。
５）最終的に専門性をもった診療ができるようになる。（専門医の取得）
小児科専門医を取得前と取得後についてプログラム内容を下に記載しました。
専門医取得前プログラム
目標
ワークライフバランスをとりながら小児科医として勤務を継続していくために、自分のペースを守ることができ、最新の医療を含めた知識と必要な診療技術を習得し、小児科専門医としての全般的な診療を行えるようになる。
具体的な目標
１）自分が今後進んでいく10年間程度のキャリアパスが想定できる。
２）小児における基本的な処置が行える。
３）救急外来が一人で対応できるようになる。
４）NICUにおける急変に対応できる。
５）専門医取得に必要な疾患を経験できる。
６）適切なプレゼンテーションができる。
７）必要なタイミングで人に相談できる。
８）自分の体調管理が行える。
具体的な復帰方法
１）復帰プログラム前に面談をおこない、可能な勤務体制を確認し、個々に対応できるプログラムを作成する。（復帰前）
２）日勤帯の救急外来の対応をおこなう。（復帰後１か月間）
３）日勤帯での救急外来から入院までを担当する。
４）NCPRを再受講または、新生児蘇生のシミュレーションを行うと同時に日勤帯に緊急帝王切開に入る。NICU業務を行う。
５）専門医取得に必要な経験すべき症例の主治医となる。また、乳児健診、予防接種外来を担当するなど小児科医としての経験を深める。受験資格に必要な論文を１篇以上書き専門医試験に合格する。
６）カンファレンスでの症例提示ができ、学会での発表ができる。
７）感染予防に留意する。体調不良の際には無理せず申告する。
８）復帰前の面談で勤務体制の確認を行う。科全体で業務の分担やサポート体制を検討し、偏りなく無理のない実施計画を立てる。
評価
１）３か月に１回面談し確認する。
２）観察記録
３）カンファレンス
４）勉強会
５）学会発表
６）論文投稿
７）小児科専門医研修手帳チェック
８）指定症例のレポートチェック
９）小児科専門医試験
専門医取得後プログラム
目標
ワークライフバランスをとりながら専門性を活かした診療をおこない地域に貢献していくために、自分のペースを守ることができ、専門性的な分野の知識と診療技術を習得し、地域医療にも関わることができるようになる。
具体的な目標
１）自分が今後進んでいく10年間程度のキャリアパスが想定できる。
２）研修指導ができる。
３）外来で慢性疾患の診療ができる。
４）障害児の発達発育のフォローができる。
５）園医、校医としての指導ができる。
６）学会発表を１回／年は行える。
７）専門分野の診療ができるようになる。
８）必要なタイミングで人に相談できる。
９）自分の体調管理が行える。
具体的な復帰方法
１）復帰プログラム前に面談をおこない、可能な勤務体制を確認し、個々に対応できるプログラムを作成する。（復帰前）
２）指導医認定を受ける。研修医とペアになり診療を行う。
３）担当した慢性疾患患者の外来診療を行う。
４）在宅支援が必要である児の退院までの計画をたて、外来フォローを行う。
５）園医・校医検診を経験する。
６）臨床研究を行い、学会発表を行う。
７）サブスペシャリティを選択し、習得したい専門医認定試験を受ける。
８）感染予防に留意する。体調不良の際には無理せず申告する。
９）復帰前の面談で勤務体制の確認を行う。科全体で業務の分担やサポート体制を検討し、偏りなく無理のない実施計画を立てる。
評価
１）３か月に１回面談し確認する。
２）観察記録
３）カンファレンス
４）勉強会
５）学会発表
６）論文投稿
７）習得したい分野の専門医試験受験
☆ワークライフバランスを取りながら、仕事を継続していくためのポイント
１）各個人に合わせたプログラムを作成する。
２）決定したプログラムで問題が生じた場合はすぐにプログラム責任者に申し出る。
３）キャリアパスを意識させる。
４）仕事量に見合った給料にする。
５）周囲は各個人の事情を理解し、プログラムに関しての疑問は当人ではなく責任者に相談する。
最終更新：令和５年９月
