痙縮とは、脳および脊髄の障害でみられる足のつっぱり症状で、痛みや歩行障害などで患者さんの生活の質を低下させます。バクロフェンは中枢神経系を抑制して痙縮を緩和しますが、この薬は経口投与では十分な効果が得られません。 1984年に米国で実用化されたバクロフェン持続髄注法(ITB療法)は、わが国でも新しい痙縮の治療法として2006年に保険収載されました。ITB療法は脊髄損傷などに伴う痙縮や、脳卒中などの神経内科疾患への応用に期待が寄せられています。当院では脳神経外科と脳神経内科が協力して、ポンプの植え込みから投薬管理までを一貫して実施できる施設です。(文責: 内藤 寛)