山田赤十字看護専門学校105年の幕をとじる


山田赤十字看護専門学校
 副学校長 宮 門 郁 代

 

 平成18年3月4日、山田赤十字看護専門学校は多くの関係者に見守られながら、百五年間継続してきた看護基礎教育に幕を下ろしました。

 閉校にあたり山田赤十字看護専門学校の歩んできた道をご紹介いたします。

 日本赤十字社三重県支部の看護師養成は、明治29年に日本赤十字社三重支部看護婦養成事業として始まり、最初は本社に委託し養成を行いました。

 その後、明治34年3月10日、度会郡四郷村大字楠部に三重支部看護婦養成所を創立し、同時に実習病院としての目的を持って町立病院も建設されました。

 この養成所が山田赤十字看護専門学校の前身であり、3年後町立病院が赤十字社に寄付され、明治37年2月1日に三重支部山田病院として支部病院が開設されたのが山田赤十字病院の誕生です。

 この歴史が物語るように山田赤十字病院は看護師養成事業を最重要事業として取り組み、明治、大正、昭和、平成にわたり三千三十名の卒業生を送り出してまいりました。

 国際的な権威を持つ「フローレンス・ナイチンゲール記章」を受賞した3名の卒業生を筆頭に、全国の看護教育、看護の場に多くの優秀な人材を送り出し、社会から高い評価を受けてまいりました。

 しかしながら、近年の急速な少子・高齢社会への突入と、疾病構造の変化、医療の高度化・専門分化により、看護専門職の重要性はますます高まり、看護基礎教育期間も3年間では厳しい状況になってきています。

 日本赤十字社も1ブロックに1大学の構想で赤十字看護基礎教育の再編成を行い、当校は中部ブロックに開学した日本赤十字豊田看護大学に看護師養成を継続することを決定し、平成16年度の学生募集を中止し、最後の卒業生を送り出した本年3月31日をもって閉校いたしました。
 
 最後の卒業生を送り出した今後の山田赤十字病院は、日本赤十字豊田看護大学を始めとして門戸を大きく広げて看護職を募集することになります。

 日本赤十字社三重県支部は日本赤十字社豊田看護大学の支部長推薦入学試験制度を実施していますし、山田赤十字病院は看護大学生を中心にした学習支援のための奨学金制度も整えましたので、地域の皆様方のご利用をお願い申し上げます。
 
 また、百五年間継続された山田赤十字看護専門学校の教育は、山田赤十字病院研修センターとして、全ての職員への学習支援を目的とした役割に変更いたします。

 地域の皆様方がご利用いただける研修計画も準備していく予定ですので是非ご利用いただきますようお願い申し上げます。

 最後に創立から閉校まで、当校の教育にご理解と御協力をいただきました皆様方に深く感謝申し上げ、閉校の報告とさせていただきます。

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